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年金と老後資金の基礎|何歳からもらえる?繰り上げ・繰り下げでいくら変わる?【2026年版】

「年金って結局いくらもらえるの?何歳からもらうのが得なの?」——老後資金の土台となる公的年金の仕組みと、受け取り時期による損得の考え方をまとめた基礎ガイドです。

【この記事について】
・本記事は公的年金制度と老後資金の基礎を学ぶための教育コンテンツであり、個別の受給タイミングや金融商品を推奨するものではありません。
・繰り上げ・繰り下げの損益は個人の状況で変わります。実際の判断は年金事務所・専門家にご相談ください。
・制度・数値は2026年8月時点の情報です。最新は日本年金機構・厚生労働省の公式サイトでご確認ください。

本記事は公的年金制度の解説であり、特定の受給方法や金融商品を推奨するものではありません。ご自身の見込み受給額は「ねんきん定期便」「ねんきんネット」でご確認ください。

「年金って結局いくらもらえるの?何歳からもらうのが得なの?」——老後資金を考えるうえで避けて通れないのが公的年金の仕組みです。この記事では、年金制度の基本構造から、受給開始年齢による増減額、老後資金全体の考え方までを整理します。


結論:年金の3行サマリー

  1. 公的年金は「国民年金+厚生年金」の2階建て(会社員・公務員)が基本構造。自営業者は国民年金のみが基本で、iDeCo等で上乗せするのが一般的
  2. 受給開始は原則65歳。60〜64歳への繰り上げで最大24%減額、66〜75歳への繰り下げで最大84%増額
  3. 公的年金だけで老後の生活費をすべて賄うのは前提にしないのが現実的——iDeCo・NISA等での上乗せ準備が重要

1. 公的年金の基本構造——2階建て(3階建て)の仕組み

日本の年金制度は、よく「階建て」の建物にたとえられます。

制度対象
1階国民年金(基礎年金)20歳以上60歳未満の全国民が加入
2階厚生年金会社員・公務員等(国民年金に上乗せ)
3階iDeCo・企業年金等加入は任意。自分で選んで上乗せする部分

自営業者・フリーランスの方は1階部分(国民年金)のみが基本となるため、会社員と比べて将来受け取れる年金額の差が大きくなりやすい傾向があります。3階部分にあたるiDeCoやNISAでの自助努力による上乗せが、特に重要になります。iDeCoの詳細は以下で解説しています。

iDeCo完全ガイド2026

年金の財源のしくみ(賦課方式)

日本の公的年金は「積立方式」ではなく「賦課方式」——現役世代が納める保険料を、その時点の高齢世代の年金給付に充てる仕組みが採用されています。少子高齢化が進むと、現役世代の負担と高齢世代の給付のバランスをどう取るかが制度上の課題になるとされ、これが「年金は将来減るのでは」という不安の背景の一つになっています。


2. 何歳からもらえるのか——受給開始年齢の基本

老齢基礎年金・老齢厚生年金の本来の受給開始年齢は65歳です。ただし、希望すれば受給開始時期を早めたり(繰り上げ)、遅らせたり(繰り下げ)することができます。

繰り上げ受給(60〜64歳)

60歳から64歳の間に受給を開始できますが、1ヶ月早めるごとに0.4%減額されます。60歳0ヶ月から受給を開始した場合、65歳から60ヶ月(5年)早めることになるため、減額率は最大24%になります。この減額率は一生変わりません。

繰り下げ受給(66〜75歳)

66歳から75歳の間まで受給開始を遅らせることができ、1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額されます。70歳まで繰り下げると増額率は42%、上限の75歳まで繰り下げると84%増額になります。2022年の制度改正で、繰り下げの上限年齢が70歳から75歳まで拡大されました。この増額率も一生変わりません。

出典:日本年金機構「年金の繰下げ受給」同「年金の繰上げ受給」

繰り上げ・繰り下げの金額イメージ(例)

たとえば65歳から年額60万円の老齢基礎年金を受け取れる人が、60歳0ヶ月に繰り上げた場合、減額率は24.0%となり、年金額は約45.6万円になります。逆に70歳まで繰り下げた場合は増額率42%で約85.2万円、75歳まで繰り下げた場合は増額率84%で約110.4万円になる計算です(あくまで基礎年金部分の計算例であり、実際の受給額は加入期間・保険料納付状況によって異なります)。

繰り上げ・繰り下げ、どちらが得か

「何歳まで生きるか」によって損得が変わるため、一律の正解はありません。一般的には、長生きするほど繰り下げが有利になりやすく、早めに受給を開始したい事情(健康上の理由・就労状況など)があれば繰り上げが選択肢になる、という考え方で語られます。ライフプラン全体(貯蓄・退職金・就労継続の予定)と合わせて検討することが推奨されます。また、老齢基礎年金と老齢厚生年金はそれぞれ別々に繰り上げ・繰り下げを選択することも可能で、たとえば基礎年金だけ繰り下げて厚生年金は65歳から受け取る、といった組み合わせ方もできます。

ねんきん定期便・ねんきんネットの見方

毎年の誕生月に日本年金機構から届く「ねんきん定期便」には、これまでの保険料納付実績と、50歳以上の場合は現在の制度が続いた場合の年金見込み額が記載されています(50歳未満はこれまでの加入実績に応じた金額)。オンラインサービス「ねんきんネット」を使えば、繰り上げ・繰り下げをした場合の見込み額もシミュレーションできます。老後資金計画の第一歩として、まずは自分の見込み額を確認しておくことをおすすめします。


3. 退職金・遺族年金・障害年金——公的年金のもう一つの役割

公的年金は「老後にもらうもの」というイメージが強いですが、実は万一の際のセーフティネットとしての役割も持っています。

  • 遺族年金:一家の働き手が亡くなった場合に、遺族の生活を支えるために支給される年金
  • 障害年金:病気やケガで一定の障害状態になった場合に支給される年金

これらは老齢年金と並ぶ公的年金の重要な機能であり、民間の生命保険・就業不能保険を検討する際にも「公的年金でどこまでカバーされるか」を先に把握しておくことが、過不足のない保障設計につながります。

退職金との関係

老後資金は公的年金だけでなく、退職金・企業年金・自分で準備した貯蓄や投資を合わせて考えるのが基本です。退職金の制度・金額は勤務先によって大きく異なるため、まずは自分の勤務先の退職金制度(有無・目安額・受け取り方法)を確認しておくことが、老後資金計画の第一歩になります。退職金を一時金で受け取るか、年金形式で受け取るかによって税制上の扱いも異なるため、制度の詳細は勤務先の人事・総務部門や国税庁の情報で確認することをおすすめします。


4. 老後資金への備え方——iDeCo・NISAとの役割分担

公的年金は「終身で受け取れる」という強みがある一方、受給額は現役時代の収入や加入期間によって決まるため、老後の生活費をすべて公的年金でまかなうことを前提にしないのが現実的な考え方です。

制度役割特徴
公的年金老後生活の土台終身で受給・賦課方式・自動加入
iDeCo老後資金の上乗せ(税制優遇あり)原則60歳まで引き出せない・掛金が全額所得控除
新NISA老後・その他ライフイベント両用の資産形成いつでも引き出し可能・非課税

「老後専用の資金」と割り切れるならiDeCo、途中で使う可能性も残しておきたいなら新NISA、というように資金の性質に応じて使い分けるのが一般的な考え方です。両制度の詳細は以下でも解説しています。


よくある質問(FAQ)

Q1. 年金は本当にもらえなくなるのですか?

A. 「年金制度自体がなくなる」という意味での破綻は、現行の賦課方式の仕組み上は想定しにくいとされていますが、少子高齢化により将来の給付水準(所得代替率)が現在より下がる可能性は制度上の論点として議論されています。断定的な予測はできないため、公的年金だけに頼らない備え(iDeCo・NISA等)を並行して行う考え方が一般的です。

Q2. 繰り上げ・繰り下げは途中で変更できますか?

A. 一度受給を開始すると、原則として繰り上げ・繰り下げの選択を後から変更することはできません。受給開始前によく検討することが重要です。

Q3. 自分の年金見込み額はどこで確認できますか?

A. 毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」、またはオンラインサービス「ねんきんネット」で、加入記録や将来の見込み額を確認できます。

Q4. 自営業者は厚生年金に入れないのですか?

A. 原則として、厚生年金は会社員・公務員等が対象で、自営業者・フリーランスは国民年金(1階部分)のみが基本です。上乗せしたい場合は、国民年金基金やiDeCoなどの制度を活用するのが一般的です。

Q5. 何歳から老後資金の準備を始めるべきですか?

A. 早く始めるほど、iDeCoやNISAでの積立期間を長く取れるため有利になりやすいとされます。ただし何歳からでも「始めないよりは始める」ほうが、老後の選択肢は広がります。まずは自分の年金見込み額(ねんきん定期便)を確認し、不足しそうな部分を試算するところから始めるのが現実的です。


免責

  • 本記事は公的年金制度の一般的な解説であり、特定の受給方法や金融商品を推奨するものではありません
  • 本記事は投資助言・年金相談ではありません。個別の受給額・最適な受給開始時期は、日本年金機構「ねんきんネット」や年金事務所でご確認ください。
  • 「絶対に得をする」といった断定的な表現は本サイトでは一切用いません。
  • 制度は変更される場合があります。最新情報は日本年金機構公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

ハル|証券外務員二種(日本証券業協会)保有

金融リテラシー教育サイト finance-plan-study.com 運営者(2022年〜)。FX自動売買を自己資金で実運用しながら、NISA・iDeCo・保険など生活者の金融判断に使える知識を、一次情報(金融庁・国税庁等)に基づいて発信しています。

→ 著者プロフィール・運営方針の詳細

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