ふるさと納税の上限額を自分で計算 住民税決定通知書 2026年版

ふるさと納税の上限額を自分で計算|住民税決定通知書の見方【2026年版】

ふるさと納税の上限額は、年収の早見表を探さなくても、住民税決定通知書に載っている「所得割額」から自分で計算できます。通知書のどこを見るか、計算式をどう導くか、電卓での手計算例、そして計算を自動でしてくれるシミュレータまで、総務省の控除の計算式にもとづいて整理します。

【この記事について】
・本記事は、ふるさと納税の上限額の考え方を学ぶための教育コンテンツです。特定の自治体・返礼品・ポータルサイトを勧めるものではありません。
・内容は2026年10月時点の総務省・国税庁などの公開情報にもとづきます。計算結果は目安です。最新情報は総務省のふるさと納税ポータルサイトや市区町村でご確認ください。

結論:押さえる4つのポイント

  • 上限額の土台は「住民税の所得割額の2割」です。住民税から引かれる「特例分」が、所得割額の2割までしか使えないためです。
  • 通知書の数字を式に入れれば、目安が出ます。式は「所得割額 × 20% ÷ (90% − 所得税率 × 1.021) + 2,000円」です。導き方は後半で説明します。
  • 通知書の所得割額は前年の所得がもとです。今年の収入が大きく変わる人や、住宅ローン控除・医療費控除を受ける人は、結果が実際より高く出ることがあります。
  • 最終的な上限額は、ポータルの詳細シミュレーションか市区町村で確認します。

ふるさと納税の上限額かんたんシミュレータ

入れる数字は、住民税の所得割額と所得税の税率です(前年にふるさと納税をした人は、足し戻す金額も入れます)。どこを見るかは次の章で説明します。入力した内容は、このページの外へ送信されず、保存もされません。

ふるさと納税の上限額かんたんシミュレータ住民税の「所得割額」から、年間上限の目安を計算します
通知書の「所得割額」の、市区町村民税と都道府県民税を足した金額です。
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額で選びます。
前年にふるさと納税をした人だけ。通知書の「寄附金税額控除」の額(市民税分と県民税分の合計)を入れます。

金額を入れて、ボタンを押してください。入力した内容は、このページの外には送信されず、保存もされません。

計算式は、総務省のページに載っている控除の計算式から導いたものです。結果は概算であり、正確な上限額は源泉徴収票確定後に各ポータルの詳細シミュレーションか住民票のある市区町村で確認してください。

表示されるのは、自己負担の2,000円を除いて全額が控除される寄附額の目安です。見込み違いに備え、「9割」の額も表示します。

この記事に年収別の早見表を載せない理由

ふるさと納税の上限額は、「年収がこの金額ならいくら」という早見表で調べる人が多いと思います。この記事に早見表がないのは、総務省が公表している「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」の表を、運営者が確認できなかったためです。

2026年10月22日に、総務省ふるさと納税ポータルサイトの「税金の控除について」のページを確認しました。控除額の計算式はありましたが、年収別の上限額の表は見当たりませんでした。一方、総務省の表を転載した自治体のPDFは残っています。運営者が見つけた鹿児島市のPDFは、作成日が2020年2月で、「令和2年以降」の目安と書かれていました。

所得税や住民税の控除は、その後も見直しが続いています。年収だけの早見表がいまの制度に合っているか、運営者は検証できません。そこで、確認できる計算式から自分で計算する方法に絞りました。他のサイトの数値を否定するものではありません。年収から調べたい方は、各ポータルの公式シミュレーションをご利用ください。

住民税決定通知書の「どこを見るか」

通知書はいつ、誰から届くか

会社員の住民税は、給与から天引きされる「特別徴収」が一般的です。通知書の名前は「特別徴収税額の決定・変更通知書(納税義務者用)」などです。東広島市の案内では、毎年5月中旬に会社宛てに送られ、本人は会社から受け取ります。自分で納める「普通徴収」の人には、自宅に納税通知書が届きます。

入社1年目は、前年の所得が少ないため、通知書が届かないか、届いても金額が小さく、上限が実際より小さく出ます。1年目の考え方は、ふるさと納税はいくらまで?新卒・新社会人のための仕組みと限度額ガイドで解説しています。

見る欄は3つ:④税額控除前所得割額、⑤税額控除額、⑥所得割額

通知書の「税額」の欄には、市民税と県民税(東京都なら特別区民税と都民税)が別々に書かれています。青森市や朝来市の見方では、次の関係です。欄の名前や番号は自治体で違うため、市区町村が公開している「通知書の見方」も見てください。

欄の名前(例)意味
税額控除前所得割額課税される所得に、税率(市民税6%、県民税4%)をかけた金額
税額控除額調整控除、配当控除、住宅ローン控除、寄附金税額控除などの合計
所得割額税額控除前所得割額から、税額控除額を引いた金額(基本はこの金額を使います)

ツールの①には、市民税の所得割額と県民税の所得割額を足した金額を入れます。市民税が14万4,000円、県民税が9万6,000円なら24万円です(説明用の仮の数字)。

前年にふるさと納税をした人は注意が必要です。前年の寄附は「寄附金税額控除」として税額控除額に含まれ、所得割額がその分小さく表示されていることがあります。そのままでは上限が小さく出るため、ツールの③に、寄附金税額控除の額(市民税分と県民税分の合計)を入れて足し戻します。内訳が読み取れないときは、ポータルのシミュレーションか市区町村で確認してください。

所得税の税率の選び方

ツールの②では、所得税の税率を5%、10%、20%から選びます。税率は課税される所得で決まります(国税庁タックスアンサーNo.2260)。会社員なら、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額が目安です(前橋市の資料)。

課税される所得の目安所得税の税率所得割額のおおまかな目安
195万円以下5%約19万円以下
195万円超〜330万円以下10%約19万円〜33万円
330万円超〜695万円以下20%約33万円〜70万円

右の列は、所得割額が課税される所得の約10%になることからの逆算です(前橋市の資料)。調整控除などで少し小さくなるため、境目では目安として見てください。実際の判定は、住民税の課税総所得金額から人的控除差調整額を引いた金額で行うため、所得税の課税所得と一致しない場合があります(渋谷区の資料)。

課税される所得が695万円を超えると、税率は23%以上です。このツールの対象外なので、ポータルの詳細シミュレーションを使ってください。

計算式の導き方:総務省の控除の計算式から

この記事の式は、独自の税計算ではありません。総務省のふるさと納税ポータルサイトに載っている控除の計算式から導いたものです。寄附額をXとすると、控除は次の3つです。

控除計算式(総務省)
(1) 所得税からの控除(X − 2,000円)× 所得税の税率
(2) 住民税からの控除(基本分)(X − 2,000円)× 10%
(3) 住民税からの控除(特例分)(X − 2,000円)×(100% − 10% − 所得税の税率)

総務省の注記では、令和19年中の寄附までは、所得税の税率に復興特別所得税の2.1%を加えます。つまり税率に1.021をかけます。(1)から(3)を足すと、(X − 2,000円)の全額が控除されます。自己負担が2,000円になるのはこのためです。

ただし、(3)の特例分は、住民税所得割額の2割までです。この上限にちょうど届くところが「上限額」です。式にすると次のとおりです。

(X − 2,000円)×(90% − 所得税率 × 1.021)= 所得割額 × 20%
↓ Xについて解く
X = 所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税率 × 1.021)+ 2,000円

90%は、100%から基本分10%を引いた値です。この式は、渋谷区や前橋市の資料に載っている式と同じです。両市の資料には、税率ごとの係数もあります。所得税率5%なら所得割額の23.558%、10%なら25.065%、20%なら28.743%に、2,000円を足します。ツールの結果は、この係数で計算した値と、数円の差(係数の丸め)で一致することを確認しています。

なお、国税庁の案内では、令和9年(2027年)から復興特別所得税の税率が下がり、新たに防衛特別所得税が加わりますが、合計の税率は変わりません。そのため、式の1.021は2027年以降も同じ考え方で使えます。

電卓でできる手計算の例

所得割額が24万円、所得税率が10%の人の例です。数字は説明用の仮のものです。

手順計算結果
1. 特例分の枠を出す240,000円 × 20%48,000円
2. 割る数を出す90% − 10% × 1.0210.7979
3. 枠を割る48,000円 ÷ 0.7979約60,157円
4. 自己負担を足す60,157円 + 2,000円約62,157円

この人の上限額の目安は、約6万2,100円です。ツールに「240000」と「10%」を入れると、同じ結果が出ます(ツールの大きな表示は、100円未満を切り捨てた値です)。

税率の影響も見ておきます。同じ所得割額24万円で税率を5%にすると約58,540円、20%にすると約70,985円です。税率を一段階まちがえると、数千円から1万円ほど変わります。

上限額を超えて寄附するとどうなるか

総務省の説明では、特例分が所得割額の2割を超えると、控除の合計は(X − 2,000円)の全額に届かず、実質の負担は2,000円を超えます。超えた分は控除されません。

先ほどの例で、7万円を寄附したとします。特例分は上限の48,000円で止まり、所得税分と基本分は(70,000円 − 2,000円)に率をかけた額です。控除の合計は約61,743円で、実質の負担は約8,257円です。通常の2,000円より約6,300円多い負担を、返礼品の価値と比べて判断することになります。

上限ちょうどまで寄附する必要はありません。通知書は前年の所得がもとなので、余裕を見て9割程度にとどめる方法があります。寄附は1月から12月の分が対象で、住民税の控除は翌年度に反映されます。年末が近い人は、ふるさと納税は12月いつまで?年内の決済期限と駆け込み注意点で、決済日の考え方を確認してください。

控除の手続きも必要です。確定申告をしない会社員は、5自治体以内ならワンストップ特例が使えます。申請書の期限は翌年1月10日必着です。手続きはふるさと納税ワンストップ特例の申請方法完全ガイドにまとめています。

この計算が合わなくなる人

次に当てはまる人は、通知書の数字をそのまま使うと、上限額が合いません。

  • 前年から収入が大きく変わる人:転職、昇給、産休・育休、副業の開始、退職などです。
  • 住宅ローン控除や医療費控除を受ける人:上限が下がることがあります。
  • 年金、個人事業、不動産、株式の譲渡などの所得がある人:所得税率の判定が給与のみの人と異なります。
  • 住民税の所得割がかからない人:控除される税金がなく、自己負担が戻りません。
  • 入社1年目の人:前述のとおり、実際より小さく出ます。

正確な上限額を知る方法

この記事の式とツールは、あくまで目安です。正確な上限額は、次の方法で確認します。

  1. 各ふるさと納税ポータルの詳細シミュレーションを使う:源泉徴収票の金額、扶養家族、各種控除を入力でき、年収だけの簡易版より条件を細かく反映できます。
  2. 住民票のある市区町村に聞く:総務省は、具体的な計算は市区町村の住民税の担当部署に問い合わせるよう案内しています。ただし、自治体によっては上限額を答えられない場合があります。
  3. 源泉徴収票が出てから見直す:その年の収入と控除は、年末調整のあとの源泉徴収票で確定します。年内の寄附の仕上げは、確定した数字で確認するとずれが小さくなります。

よくある質問

ふるさと納税の上限額は、自分で計算できますか?

目安なら計算できます。通知書の所得割額と所得税の税率から、「所得割額 × 20% ÷ (90% − 所得税率 × 1.021) + 2,000円」で出せます。

住民税決定通知書のどの金額を使いますか?

「所得割額」の、市民税と県民税を足した金額です。前年にふるさと納税をした人は、寄附金税額控除の分を足し戻します。欄の名前は自治体で異なります。

所得税の税率は、どれを選べばいいですか?

源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額で選びます。195万円以下は5%、330万円以下は10%、695万円以下は20%です。

計算した上限額を超えて寄附すると、どうなりますか?

超えた分は控除されず、自己負担が2,000円より増えます。仮の例では、上限の約62,157円のところで7万円を寄附すると、実質の負担は約8,257円です。

あわせて読みたい

参考:総務省・国税庁・自治体の一次情報

免責

  • 本記事は2026年10月時点の公開情報をもとにした教育コンテンツです。制度や様式は変わることがあるため、総務省、国税庁、市区町村の最新の案内をご確認ください。
  • 本記事のツールと計算例は概算です。個別の税務相談ではありません。正確な上限額は、源泉徴収票確定後に各ポータルの詳細シミュレーションか、住民票のある市区町村でご確認ください。計算例の数字は説明用の仮のものです。

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この記事を書いた人

ハル|証券外務員二種(日本証券業協会)保有

金融リテラシー教育サイト finance-plan-study.com 運営者(2022年〜)。FX自動売買を自己資金で実運用しながら、NISA・iDeCo・保険など生活者の金融判断に使える知識を、一次情報(金融庁・国税庁等)に基づいて発信しています。

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