ボーナス賞与の手取り計算 2026年版

ボーナス(賞与)の手取りは?引かれるものと計算方法【2026年版】

ボーナス(賞与)の額面と振込額が違うのは、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税の4つが引かれるためです。住民税は賞与からは引かれません。健康保険と厚生年金保険の保険料は「標準賞与額×保険料率」を労使で折半し、所得税は「前月の給与」で税率が決まります。額面30万円のモデルでは、振込額は約24.5万円(概算)です。計算の手順と根拠を、協会けんぽ・日本年金機構・厚生労働省・国税庁の一次情報にもとづいて整理します。

【この記事について】
・本記事は、賞与から引かれるお金の仕組みを学ぶための教育コンテンツです。
・制度の内容と料率は2026年10月時点の公開情報にもとづきます。2026年中に支払われる賞与(令和8年分)が対象です。計算例は説明用の仮の数字で、実際の振込額は勤務先の給与計算で決まります。

結論:押さえる4つのポイント

  • 引かれるのは4つです。健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税です。住民税は賞与からは引かれません。
  • 社会保険料は「標準賞与額×保険料率」です。標準賞与額は、賞与の額面(税引き前)の1,000円未満を切り捨てた金額です。健康保険と厚生年金は、会社と本人が半分ずつ負担します。
  • 所得税は「前月の給与」で税率が決まります。前月の給与から社会保険料を引いた金額と、扶養親族等の数で、賞与に掛ける率が決まります(国税庁)。
  • 額面30万円なら、手取りは約24.5万円(概算)です。引かれる合計は約5.5万円です。引きすぎた所得税は、年末調整で精算されます。

ボーナスの額面と振込額が違う理由

賞与明細の「支給額」(総支給額)が、いわゆる額面です。ここから控除の合計を引いた「差引支給額」が、口座に振り込まれる金額です。初めての冬のボーナスで金額が少なく感じるのは、毎月の給与と同じように、税金と社会保険料が引かれているからです。

毎月の給与の社会保険料は、月給を区切りに当てはめた「標準報酬月額」で決まります。賞与の社会保険料は、賞与そのものの額(標準賞与額)に料率を掛けて計算します(日本年金機構)。月給の手取りの考え方は初任給の手取りはいくら?計算方法と1年目の変化で整理しています。

賞与から引かれる4つと、引かれないもの

本記事では、東京都の協会けんぽに加入している20代の会社員を例にします。料率は都道府県で異なり、健康保険組合の場合も異なります。

項目賞与での計算料率(2026年度・本人負担)
健康保険料標準賞与額×料率÷29.85%の半分(4.925%)
子ども・子育て支援金標準賞与額×料率÷20.23%の半分(0.115%)
厚生年金保険料標準賞与額×料率÷218.3%の半分(9.15%)
雇用保険料賞与の総支給額×料率0.5%(5/1,000)
所得税(賞与−社会保険料)×算出率前月の給与などで決まる
住民税賞与からは引かれない―

健康保険料は、協会けんぽの東京支部の場合、令和8年度は9.85%です。これに加えて、令和8年4月分から、全国一律の「子ども・子育て支援金」(0.23%)が納付の対象になりました(協会けんぽ)。支援金も、健康保険料と同じく、会社と本人が半分ずつ負担します。この記事では、支援金を健康保険の一部として数え、「4つ」に含めています。40歳から64歳の人には介護保険料(1.62%)も加わりますが、20代は対象外です。

健康保険料・厚生年金保険料:標準賞与額×料率を折半する

賞与の保険料は、実際に支払われた賞与の額面(税引き前)から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に、保険料率を掛けて求めます。負担は、事業主と被保険者で折半です(日本年金機構)。たとえば賞与が300,500円なら、標準賞与額は300,000円です。

厚生年金保険料率は18.3%で、2017年9月から固定されています。本人負担は半分の9.15%です。月給と賞与は共通の保険料率で計算します(日本年金機構)。

標準賞与額には上限があります。健康保険と子ども・子育て支援金は、年度(4月1日から翌年3月31日)の累計で573万円です。厚生年金保険は、1回(同じ月に複数回なら合計)で150万円です(協会けんぽ、日本年金機構)。

雇用保険料:総支給額に本人負担の料率を掛ける

雇用保険料は、賃金の総支給額に、本人負担分の料率を掛けて求めます。賞与も、雇用保険料の計算に含める賃金に入ります(厚生労働省の労働局)。令和8年度(2026年4月から2027年3月まで)の一般の事業の料率は、労働者負担が5/1,000(0.5%)、事業主負担が8.5/1,000です(厚生労働省)。雇用保険は、健康保険や厚生年金保険と違い、折半ではありません。

所得税:「前月の給与」で税率が決まる

賞与の所得税は、毎月の給与とは別の方法で計算します。国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使い、次の順番で求めます(No.2523)。

  1. 前月の給与から、社会保険料等を差し引いた金額を求めます。
  2. 算出率の表の「甲欄」で、扶養親族等の数の列と、1の金額が当てはまる行が交わる欄の率を読み取ります。
  3. 賞与から社会保険料等を差し引いた金額に、2の率を掛けます。1円未満は切り捨てです。

率を決めるのは「前月の給与」で、掛ける相手は「賞与から社会保険料を引いた金額」です。額面そのものには掛けません。「給与所得者の扶養控除等申告書」を会社に出している人は甲欄、出していない人は乙欄を使います。

独身で扶養親族等がいない場合(扶養親族等0人)の、令和8年分の表の抜粋は次のとおりです。

前月の給与(社会保険料等を引いた後)賞与に掛ける率
82千円未満0%
82千円以上94千円未満2.042%
94千円以上260千円未満4.084%
260千円以上309千円未満6.126%
309千円以上342千円未満8.168%
342千円以上372千円未満10.210%
372千円以上402千円未満12.252%

表はさらに続き、前月の給与が高いほど、同じ賞与でも率が高くなります。賞与から源泉徴収するのは所得税と復興特別所得税で、表の率にはその分が含まれています(No.2523)。

なお、賞与が前月の給与(社会保険料等控除後)の10倍を超える場合や、前月に給与の支払がない場合は、この表を使わず、別の計算方法になります(No.2523)。前月に給与があれば、通常は上の表で計算します。令和9年分(2027年)以後は表が改正されるため、最新の表で確認してください。

住民税は賞与から引かれない

個人住民税は、前年の所得をもとに税額が決まり、給与所得者は6月から翌年5月まで、毎月の給料から引かれます(東京都主税局)。そのため、賞与の支給時に別に引かれることは、通常ありません。新社会人の1年目は、前年の所得がほとんどないため、住民税が引かれるのは2年目の6月からです。引かれ始めの時期は住民税はいつから引かれる?新社会人の手取りが変わるタイミングで解説しています。

ボーナスの手取りを計算する4ステップ

  1. 標準賞与額を出す:額面の1,000円未満を切り捨てます。
  2. 社会保険料を出す:標準賞与額に各料率を掛けて半分にします。雇用保険料は、額面に0.5%を掛けます。
  3. 所得税を出す:額面から社会保険料を引いた金額に、前月の給与で決まる率を掛けます。
  4. 手取りを出す:額面から、社会保険料と所得税を引きます。

【概算】額面30万円のボーナスの手取り

次の条件で、手取りを計算します。説明用の仮の数字です。

  • 東京都の協会けんぽに加入、25歳、独身で扶養親族等なし(甲欄)
  • 賞与の額面は30万円(標準賞与額も30万円)
  • 前月の給与は額面25万円。標準報酬月額は26万円で、社会保険料の合計は38,144円(健康保険12,805円、子ども・子育て支援金299円、厚生年金23,790円、雇用保険1,250円)と仮定

まず、前月の給与から社会保険料を引きます。25万円−38,144円=211,856円です。表の「94千円以上260千円未満」に当てはまるので、賞与に掛ける率は4.084%です。

項目計算金額
健康保険料300,000円×9.85%÷214,775円
子ども・子育て支援金300,000円×0.23%÷2345円
厚生年金保険料300,000円×18.3%÷227,450円
雇用保険料300,000円×0.5%1,500円
社会保険料の合計44,070円
所得税(300,000円−44,070円)×4.084%=255,930円×4.084%10,452円
引かれる合計54,522円
手取り(概算)300,000円−54,522円245,478円

手取りは約24.5万円で、額面の約81.8%です。あくまで概算です。端数の処理や、会社独自の控除(財形貯蓄、労働組合費など)で、金額がずれることがあります。

同じ前提で、額面が変わった場合の目安は次のとおりです。前月の給与が同じなら、率は変わりません。

賞与の額面社会保険料所得税手取り(概算)
20万円29,380円6,968円163,652円
30万円44,070円10,452円245,478円
50万円73,450円17,420円409,130円

ボーナス手取りかんたん計算機(概算)

額面と前月の給与を入れると、この記事と同じ前提(東京都・協会けんぽ・令和8年度の料率)で、引かれる金額と手取りの概算を計算します。入力した数字は、この端末の中だけで計算され、送信も保存もされません。

ボーナス手取りかんたん計算機2026年(令和8年分)・東京都・協会けんぽ・甲欄

【計算の前提と近似】

・料率は、東京都の協会けんぽ(令和8年度):健康保険9.85%、子ども・子育て支援金0.23%、厚生年金18.3%(いずれも折半)、40歳以上は介護保険1.62%(折半)、雇用保険は本人負担5/1,000です。標準賞与額は、額面の1,000円未満を切り捨てた額です。

・所得税の率を決める「前月の給与から社会保険料を引いた額」は、前月の給与の額面に社会保険料率の合計(40歳未満は14.69%、40歳以上は15.50%)を掛けた概算を使っています。標準報酬月額や実際の控除額は使っていません。記事本文の例は実際の控除額を使うため、前月の給与の金額によっては、率の区分が1つずれて数百円から数千円の差が出ることがあります。

・算出率の表は、国税庁の令和8年分の「甲欄」(扶養控除等申告書を出している人)です。乙欄の人は対象外です。

・賞与が前月の給与(社会保険料を引いた後)の10倍を超える場合や、前月に給与がない場合は、月額表による別の計算になるため、この計算機では扱いません。

・概算であり、実際は標準報酬月額・保険料率の都道府県差、健康保険組合の料率、会社独自の控除などで前後します。実際の金額は賞与明細で確認してください。

計算が合わないときに確認すること

自分で計算した金額と、賞与明細の金額が違う場合は、次の点を確認してみてください。

  • 加入している健康保険:協会けんぽの場合、料率は都道府県ごとに異なります。健康保険組合に加入している場合は、組合ごとの料率です。
  • 前月の給与:所得税の率は、前月の給与(社会保険料等を引いた後)で決まります。月給が変わると、同じ賞与でも率が変わります。
  • 扶養親族等の数:申告書に扶養親族等を書いていると、率が低い列になります。
  • 明細の項目名と控除の時期:明細の項目名や、社会保険料を引く時期は、会社によって異なる場合があります。分からない項目は、社内の給与担当に確認してください。

年末調整で精算される:引かれすぎた所得税は戻る

賞与の所得税は、前月の給与で決まる率で、その場で仮に計算した金額です。1年間の本当の税額とは、一致しないことがあります。そのため、会社が12月に行う年末調整で、賞与を含む1年間の給与から年税額を計算し直します。その年に源泉徴収した所得税の合計が年税額より多ければ、差額は還付されます。少なければ、不足分を徴収されます(国税庁No.2662)。

還付は、通常、年末調整を行った月分(12月分)の源泉徴収税額から差し引く形で行われます(国税庁No.2675)。受け取る時期は、会社の給与日によって異なります。

ここで精算されるのは、所得税と復興特別所得税です。健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料は、年末調整で戻ってくるものではありません。一方で、払った社会保険料は、所得から差し引かれる「社会保険料控除」として、年税額を下げる側に働きます。

生命保険料や地震保険料を払っている人は、年末調整の書類に記入すると、戻りが増える場合があります。書き方は年末調整の保険料控除申告書の書き方で解説しています。年末調整の結果は、源泉徴収票で確認できます。見方は源泉徴収票の見方【大学生バイト向け】が参考になります。

よくある質問

ボーナスの手取りは、額面のおよそ何割ですか?

この記事のモデル(東京都・協会けんぽ・独身・前月の給与25万円)では、約8割(81.8%)です。社会保険料が約15%、所得税が約3.5%引かれます。前月の給与や加入している健康保険で変わります。

ボーナスから住民税は引かれますか?

引かれません。住民税は、前年の所得をもとに、6月から翌年5月まで毎月の給料から引かれます。新社会人は、前年の所得がほとんどないため、2年目の6月からです。

ボーナスの所得税は、なぜ月給と引かれ方が違うのですか?

月給は月額表で、賞与は算出率の表で計算するためです。賞与は、前月の給与と扶養親族等の数で決まる率を、賞与から社会保険料を引いた金額に掛けます。

ボーナスで引かれすぎた所得税は戻ってきますか?

年末調整で精算されます。源泉徴収した所得税の合計が年税額より多い場合は、差額が還付されます。社会保険料は戻りません。

あわせて読みたい

参考:協会けんぽ・日本年金機構・厚生労働省・国税庁の一次情報

免責

  • 本記事は2026年10月時点の公開情報をもとにした教育コンテンツです。料率や税の表は毎年変わる場合があるため、協会けんぽ、日本年金機構、国税庁などの最新の案内をご確認ください。
  • 本記事は個別相談ではありません。実際の控除額は、勤務先の給与計算で決まります。

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この記事を書いた人

ハル|証券外務員二種(日本証券業協会)保有

金融リテラシー教育サイト finance-plan-study.com 運営者(2022年〜)。FX自動売買を自己資金で実運用しながら、NISA・iDeCo・保険など生活者の金融判断に使える知識を、一次情報(金融庁・国税庁等)に基づいて発信しています。

→ 著者プロフィール・運営方針の詳細



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