年末調整の還付金はいつ いくら戻る 2026年版

年末調整の還付金はいつ・いくら戻る?仕組みと確認方法【2026年版】

年末調整の還付金は、毎月の給料から差し引かれた所得税が、その年の正しい税額より多かったときに、差額が戻ってくるお金です。年末調整は、勤務先が「その年最後に給料を支払うとき」に行う手続で、通常は12月です。戻る額は、控除額そのものではなく「控除額×所得税の税率」で決まります。還付の仕組み、時期、金額の目安、源泉徴収票での確認方法を、国税庁の一次情報にもとづいて整理します。

【この記事について】
・本記事は、年末調整の還付の仕組みを学ぶための教育コンテンツです。個別の税務相談ではありません。
・制度の内容は2026年10月時点の国税庁などの公開情報にもとづきます。2026年中の給与は「令和8年分」で、年末調整は2026年12月に勤務先が行います。
・計算例は説明用の仮の数字です。実際の還付額は人によって変わります。

結論:押さえる4つのポイント

  • 還付金の正体は「払いすぎた所得税の精算」です。毎月の源泉徴収は概算です。年末調整で1年分の正しい税額を計算し、多く差し引かれていた分が戻ります。足りなければ、追加で差し引かれます(国税庁タックスアンサーNo.2662)。
  • 戻る時期は、勤務先が年末調整をする給与のときです。年末調整は「本年最後に給与の支払をする時」に行い、通常は12月です。従業員に何日までに戻すという日付は、国税庁の資料では見当たらず、実際の日は勤務先によって異なります。
  • 戻る額は「控除額×税率」が目安です。控除額がそのまま戻るわけではありません。生命保険料控除が4万円で所得税率が5%なら、所得税は約2,000円減ります。
  • 令和8年分は、12月に基礎控除の引上げ分も精算されます。11月までの源泉徴収は改正前の税額表のままで、12月の年末調整で引上げ後の基礎控除を使って1年分を計算し直します。

年末調整の還付金の正体:毎月の源泉徴収は「概算」

会社は、給料を支払うたびに、国税庁の源泉徴収税額表で所得税と復興特別所得税を計算し、給料から差し引いて国に納めています。ところが、1年間に差し引いた合計は、その人が本来納める1年分の税額(年税額)と一致しないのが通常です。国税庁は、その理由を次の3つで説明しています(国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」)。

  • 税額表は、毎月の給与額が1年間変わらない前提で作られています。実際には、年の途中で給与額が変わります。
  • 年の途中で扶養親族の数などが変わっても、さかのぼって各月の税額を直すことはしません。
  • 生命保険料や地震保険料の控除などは、年末調整のときに控除することになっています。

この差を精算する手続が年末調整です。差し引いた合計が年税額より多ければ差額を還付し、少なければ差額を徴収します(No.2662)。

比べた結果どうなるか
差し引かれた合計が、年税額より多い(過納額)差額が戻る
差し引かれた合計が、年税額より少ない(不足額)差額が追加で差し引かれる

還付金は、国からもらう給付金ではなく、すでに納めた自分の税金のうち多すぎた分です。生命保険料控除などの申告書を出していない場合、その控除は年末調整に反映されません。年の途中で給与額が変わった場合は、戻る方向にも追加で差し引かれる方向にも、ずれが生じます。

追加で差し引かれる額が大きいときは、年末調整の月の手取りが、1月から前月までの手取りの月平均の70%を下回る人に限り、勤務先が税務署長に申請して承認を受ければ、不足額を翌年1月と2月に分けて徴収できます(No.2675)。年収が2,000万円を超える人は、年末調整の対象外です(No.2665)。

年末調整の還付金はいつ戻る?

国税庁の資料で確認できる内容は、次の3点です。

  • 年末調整を行う時:本年最後に給与の支払をするときに行い、通常は12月です。その年最後に給与を支払う月に、普通の給与と賞与の両方を支払い、賞与のほうが先なら、その賞与を支払う際に行ってもよいとされています(国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」)。
  • 還付の方法:勤務先は、年末調整をした月分(通常は12月分)として国に納める源泉所得税から過納額を差し引き、本人に還付します。その月分で還付しきれないときは、その後に納める源泉所得税から順次差し引いて還付します(No.2675)。
  • 日付の定め:「何月何日までに戻す」という日付の定めは、これらの資料に見当たりません。

したがって、多くの会社では12月の給与(または賞与)で精算されますが、実際に手元へ入る日は、給与の締め日や支払日、会社の運用によって変わります。12月分だけで還付しきれず、年が明けた月の給与で受け取る場合もあります。勤務先の年末調整の案内か、人事・総務の担当部署で確認してください。

年末調整でいくら戻る?金額の目安

戻る額の考え方:控除額×税率

控除が増えると、課税される所得が控除額の分だけ減り、その分に税率を掛けた額だけ所得税が減ります。所得税の税率は、課税される所得金額で決まります(No.2260)。

課税される所得金額税率
195万円未満5%
195万円以上330万円未満10%
330万円以上695万円未満20%

課税される所得金額は、給与所得控除後の金額から、社会保険料や基礎控除などの所得控除の合計を引いた金額です。独身で扶養親族がいない人が年収300万円から500万円ほどの場合、おおむね5%か10%の区分に入ります(筆者の試算。控除の額で変わります)。これに復興特別所得税として2.1%が上乗せされるため、次の金額に1.021を掛けると、復興特別所得税を含めた額になります。

例1:生命保険料控除とiDeCoの掛金

生命保険料控除は、新契約(平成24年1月1日以後に結んだ契約)の場合、年間の支払保険料が8万円以上なら一律4万円です(No.1140)。小規模企業共済等掛金控除は、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金を含み、支払った全額が控除されます(No.1135)。

控除の例(仮の数字)控除額税率5%の場合の減る額税率10%の場合の減る額
生命保険料控除(新契約の一般、年8万円を支払い)4万円約2,000円約4,000円
iDeCoの掛金(月2万円、年24万円)24万円約12,000円約24,000円
2つの合計28万円約14,000円約28,000円
「控除額が戻る」という誤解に注意してください。上の例で、控除額は合計28万円ですが、戻る目安は約1.4万円から2.8万円です。戻る額は、控除額に税率を掛けた額です。

住民税は別の仕組みです。所得割は前年の所得をもとに課税され、給与所得者は6月から翌年5月まで毎月の給与から差し引かれます(東京都主税局)。年末調整の還付金に住民税の減少分は含まれません。詳しくは住民税はいつから引かれる?新社会人の手取りが変わるタイミングで整理しています。

例2:令和8年分の基礎控除の引上げで増える分

令和8年度の税制改正で、基礎控除が引き上げられました。令和8年12月1日に施行され、令和8年分から適用されます。国税庁の案内では、合計所得金額が132万円超336万円以下の人は、基礎控除が88万円から104万円に変わります(No.1199、国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」)。

次の仮の条件で、年税額の変化を計算します。独身で扶養親族なし、給与収入は年350万円、社会保険料は年50万円、他の控除なしとします。給与所得控除は、収入が360万円以下なら「収入×30%+8万円」で、約113万円です(No.1410)。

項目改正前の基礎控除引上げ後の基礎控除
給与所得(350万円−約113万円)約237万円約237万円
社会保険料控除と基礎控除の合計138万円154万円
課税される所得金額約99万円約83万円
所得税(税率5%)約4.95万円約4.15万円

差は約8,000円で、復興特別所得税を含めると約8,200円です。基礎控除の引上げ幅は16万円ですが、減る額は16万円×5%です。令和8年11月までの源泉徴収は改正前の税額表のままなので、他の条件が同じなら、この分だけ12月の精算で戻る額が増えるか、追加で差し引かれる額が減ります。ただし、実際の還付額は、差し引かれた合計と年税額の差で決まるため、この金額とは一致しません。

源泉徴収票のどこを見れば、精算結果がわかる?

年末調整の結果は、「給与所得の源泉徴収票」で確認できます。源泉徴収票は、翌年1月末までに受給者へ交付されます(国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」)。見る欄は、主に次の3つです。

欄の名前書いてあること
支払金額その年に支払われた給与・賞与の総額(額面の年収)
所得控除の額の合計額社会保険料、生命保険料、基礎控除などの合計。提出した申告書の控除が入っているかを確認できます。
源泉徴収税額年末調整をした後の所得税と復興特別所得税の合計額。年末調整で確定した最終的な税額です(国税庁「法定調書の作成と提出の手引」)。

戻った額は、毎月の給与明細の所得税を1月から12月まで合計し、源泉徴収票の「源泉徴収税額」と比べるとわかります。前者が多ければ、その差が精算された額の目安です。欄の見方は源泉徴収票の見方【大学生バイト向け】|どこを見れば「払いすぎ」がわかる?【2026年版】で詳しく解説しています。社会人も、見る欄は同じです。

年末調整を受けるために、12月までにやっておくこと

  • 保険料控除申告書を出す:生命保険料、地震保険料、iDeCoなどの掛金は、控除証明書を添えて申告書を出します。書き方は年末調整の保険料控除申告書の書き方【2026年版】|記入例と上限額で解説しています。
  • 転職した人は前職の源泉徴収票を出す:年の途中で就職した人は、前職の給与も含めて年末調整をします。前職の源泉徴収票などで確認できないときは、年末調整ができず、確定申告になります(No.2674)。

年末調整で戻らないお金は、確定申告で受け取る

年末調整で扱えない控除は、会社員でも、自分で確定申告(還付申告)をすれば税金が戻ります。国税庁は、会社員が還付申告をする例として、多額の医療費を支払って医療費控除を受ける場合や、住宅ローンを利用してマイホームを取得して住宅借入金等特別控除を受ける場合などを挙げています(No.2030)。

控除や手続年末調整では?
医療費控除受けられません。確定申告が必要です(No.1120)。詳しくは医療費控除はいくらから?対象・やり方・戻る額を解説【2026年版】
寄附金控除(ふるさと納税)確定申告書に記載して受けます(No.1150)。ワンストップ特例の申請書を出し忘れたときも同じです。詳しくはふるさと納税のワンストップ特例を出し忘れたら?確定申告で取り戻す【2026年版】
年末調整を受けていない場合年の途中で退職したなど、年末調整を受けていないときは、確定申告で精算します。詳しくは会社員の確定申告は必要?還付申告のやり方をスマホで解説【2026年版】

還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間、提出できます(No.2030)。

よくある質問

年末調整の還付金は、いつ戻りますか?

年末調整は本年最後に給与を支払うときに行い、通常は12月です。還付は、年末調整をする月の給与で精算されるのが基本ですが、何月何日までという日付の定めは見当たらないため、勤務先の案内で確認してください。

年末調整で、いくら戻りますか?

戻る額は、1年間に差し引かれた所得税の合計と、年税額の差です。控除額に所得税率を掛けた額が、税額の減る目安です。

年末調整で、還付がない、または追加で差し引かれるのはなぜですか?

毎月の源泉徴収は、給与が1年間変わらない前提の概算です。年の途中で給与額が変わったときなどは、差し引いた合計が年税額より少なくなることがあり、その差額が年末調整で徴収されます。

医療費控除やふるさと納税の分は、年末調整で戻りますか?

戻りません。年末調整では扱えないため、確定申告が必要です。還付申告は、翌年1月1日から5年間、提出できます。

あわせて読みたい

参考:国税庁などの一次情報

免責

  • 本記事は2026年10月時点の公開情報をもとにした教育コンテンツです。制度や様式は変更される場合があるため、必ず国税庁、税務署、勤務先の最新の案内をご確認ください。
  • 本記事は税務の個別相談ではありません。控除の対象かどうか、申告の要否、還付額は、税務署または勤務先の担当部署にご確認ください。

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この記事を書いた人

ハル|証券外務員二種(日本証券業協会)保有

金融リテラシー教育サイト finance-plan-study.com 運営者(2022年〜)。FX自動売買を自己資金で実運用しながら、NISA・iDeCo・保険など生活者の金融判断に使える知識を、一次情報(金融庁・国税庁等)に基づいて発信しています。

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▶ 次のステップ

年末調整で還付を受ける仕組みが分かったら、勤務先に出す保険料控除申告書の書き方と、年末調整で戻らない控除を取り戻す確定申告の流れを確認しておきましょう。
→ 年末調整の保険料控除申告書の書き方【2026年版】|記入例と上限額
→ 医療費控除はいくらから?対象・やり方・戻る額を解説【2026年版】


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